第6号 Feed

2011年11月19日 (土)

神々がくれた奇跡シーフォレスト

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石垣市の玉取崎展望台の真向かいに、2010年夏、レストランがオープンしました。プチホテルも併設し、夕食には石垣牛をメインとしたコース料理を提供。
1760坪の敷地内には、果樹・ハーブ・野菜等を栽培しています。貴方に夢のひとときを与えてくれるこのオーガニックレストランで優しい時間をすごしてみませんか。

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 石垣島といえば「青い海」という印象をお持ちの方が多いと思いますが、深い緑に覆われた「樹木の島」でもあります。シーフォレストは木と岩に覆われたキンブ山の中腹、標高50メートルほどの場所にあるレストランです。
 台風の来る石垣島の山の中腹に木造の家を建てる!?
 大勢の人から心配の声をいただきました。設計士も建設会社も同じ心配を抱きましたが、それを払拭する為に知恵を絞ってくださった結果、今夏、無事完成しました。
 高台にあるレストランからは180度以上の海が見えます。
 周りに何もなく、常に風や南国特有の滝のような雨にさらされていますが、室内にいると別世界のように静かです。天井を張らず、小屋組みを見せるようにしたことで、すごく木のぬくもりを感じる空間になりました。レストランのテラスも太い柱で東屋風に仕上げましたが、お客様に一番人気の場所(席)となっています。
 家は人工の建造物ですが、自然の恵みである木が心優しくなれる時をもたらしてくれているような気がする毎日です。
   
御施主様の株式会社ライム・ジャパン正宗留美子様より原稿を頂戴いたしました

網野禎昭 法政大学教授講演

集合住宅の木造建築~
欧州の事例から考える・地方都市と木造のあり方

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場 所 肝付町高山やぶさめ館
主 催 肝属木材事業協同組合

 網野教授は、東京大学大学院( 坂本・松村研究室) 時代、鹿児島県佐多町( 現 南大隅町) の「さたでいホール」の設計において、シャープなデザイン感覚を発揮され、町にその案が採択されました。

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若くしてこのプロジェクトの計画から実施設計、施工管理までを担当されました。その後スイス連邦工科大学ローザンヌ校で当代随一の木質構造の大家ナッテラー教授の下に学び、ウィーン連邦工科大学に転じてアシスタントプロフェッサーを務められました。近年大きく進展かつ変貌しているヨーロッパの木造建築を、研究者として、また建築実務家として、まさにその渦中に在って格闘してこられました。
 十余年ぶりに帰国され、今年4月に現職に就任されました。時あたかも木造化推進法が施行されたこの時期、我が国木造建築の真の発展に大きく寄与されるものと期待しています。誠に喜ばしく、欣快に堪えない次第です。

 講演は3時間に及びました。多層木造建築の意義から始まり、各地の実例紹介、設計、施工の実務的な視点から、各種構法の一長一短、耐火基準などの解説、さらに木造建築を単なるブームに終わらせないために、鉄骨、コンクリート構造などと比べて、性能面、コスト面で如何に競争力を確保するかに話が及びました。性能、コストを踏まえて、材料、加工、部材のディテールまで、そして部材の製造、加工、現場施工体制など、設計・施工の実務に精通していればこその中層木造建築のさまざまな技術的側面が解き明かされた3時間でした。
 今回聴講された80名の方々は木造建築、特に多層階の集合住宅やビルの合理性、建築の具体的手法など聞く機会を得られたものと思います。後日幾人もの方々から木造建築についての常識が変わった、まさに「目からうろこ」だったとの感想をお伺いしました。
 いつか本誌誌上で、ご本人に直接弁じて戴く予定です。( 佐々木)

種子島・木材だより 

平成22年11月29日朝、種子島島間港から出航した船が志布志港に入り、杉丸太約400m3製材品60m3が運び込まれました。これは今回南種子町様が発注されました南種子町立中平小学校校舎建設用として、南種子町有林から伐採搬出された杉材です。

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 南種子町の子供たちが使う校舎に是非とも同じ南種子で育った杉材を使った建物で、木のぬくもりを感じながら学校生活を過ごして欲しいという名越町長様始め町役場、地元の強い意志があったとお聞きしております。また、杉材伐採時には日頃やったことのない作業のお手伝いを役場職員の方も出て、大変だったとも漏れ聞きました。

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 この大切な材料を預かり、いまから私どもは校舎の骨組に使用する集成材を製造していく作業工程に入っていきます。
 地元の熱い思いにお答えするために会社一丸となって良い製品作りに望んでいきたいと考えております。

〈建築材料〉構造用集成材

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短辺12cm×長辺80cm×長さ12mは大断面集成材?

 構造用集成材の日本農林規格(JAS)では、断面の大きさにより大断面集成材(短辺が15cm 以上、断面積が300cm2以上のもの)中断面集成材(短辺が7.5cm 以上、長辺が15cm以上のものであって、大断面集成材以外のもの)小断面集成材(短辺が7.5cm 未満又は長辺が15cm未満のもの)の3つに区分されています。よって、表題のサイズは、中断面の部類になります〈下図参照〉。

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しかしながら、一般的には住宅用などに使用される標準規格寸法のものが中小断面集成材として扱われており、それ以外のものあるいは特注品を、大断面集成材と呼ぶ商習慣があるようです。そのために、大断面集成材の価格は高いとひと括りにされてしまいがちですが、規格化された寸法で生産することができれば決して高くはなりません。

カンパチ用のいけすは全国初の施設

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 鹿児島県は県水産業の新しい展開を支えるため、垂水市に稚魚生産施設を建設中です。この施設は、カンパチ用の生簀(いけす)としては全国で初めての施設で、経済危機対策に基づく交付金事業で、平成二三年春の完成を目指しています。
 カンパチの種苗は現在、中国からの輸入に依存しており、地元産で賄えるようになれば、養殖の低コスト化や生産履歴の明確化にもつながり、消費者にも安心・安全な魚を供給できます。
 施設は、同市柊原にある県種苗生産施設内に建設。約四.一 haの敷地に、既存のヒラメ・タイなどの生産施設のほか、カンパチ六十万尾の供給を目標とした稚魚生産用生簀を整備し、一00t水槽八面(基)を設置。
 将来的には生産規模の拡大や、夏場主体の供給の周年化、民間への技術移転も視野に入れています。
 カンパチ種苗生産施設は、種苗生産棟(W造平屋建約八六三m2)、親魚棟(一階RC造二階木造建約三四五m2)、取水機械棟(RC造平屋建約一八0m2)の新築。また、既存のクルマエビ生産棟の解体後、ヒラメ棟(種苗生産施設、木造平屋建約四0五m2)も建設が予定されています。

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 これまでも環境への配慮と 塩害に強いという利点から、鹿児島県水産技術開発センターの各施設や長崎県壱岐栽培センター、佐賀県有明海漁業協同組合の海苔製造等の水産施設に集成材を使用していただいていますが、今回も各施設に多用して頂きました。
 木造は結露の心配も少なく、木材の特徴である熱伝導率の低さで室内温度が3 ~4度程度低く、室内環境が大変良いです。今回、鹿児島産の安全ヘルシーなカンパチ生産施設に携われた事に感謝し、これからも多方面の水産施設に木材が使用されることを願っております。
(榎 原)

2011年9月 2日 (金)

鹿児島のおいしいもの 旬の味

門松
 昔の門松は大変質素で素朴なものでした。どこの家も門の所に木杭を打ち、松の枝と竹などを立て、山から取ってきたシラス(火山灰土壌)を周囲に小さく盛り上げます。余分に持ってきたシラスは庭にまくと、黒い土をシラスが覆って清々しく、いかにも年の改まる気分が静かな町に漂いました。
 ある時期(私が小学生の頃で多分昭和二十年代終り頃)から「新生活運動」のようなものがあって、門松を印刷した小さな紙が配られるようになり、何しろ楽な方へだから門松をやめてそれを貼る家も増えてきました。
 めでたく門松を立てる風習は廃れ、松や竹を切りに山に入ることも無くなりましたし、それで山が豊かになることも有りませんでした。あの運動はどのような人たちが、どのような理屈や情熱で進めたのかなとふと思います。

いのしし
 報道によると、熊、イノシシ、鹿などの獣害が例年になく多いようです。林業の会合でもその被害がよく話題になります。イノシシは大変うまいので、「困った、困った」という話を聞くと「なぜ食わない?」とつい言いたくなります。猟師が減ったのか最近手に入らず久しくかつえていましたが、当地のわな猟師さんと神田専務が親しくなってくれたおかげで、最近は冷凍や味噌漬けで常備しており、客が有ればすき焼き、炭火焼、大根やゴボウとの煮物など「山の恵み」に感謝しつつ戴いています。

ぶり、ぶり大根( 桜島大根)
 鹿児島はぶり、カンパチの養殖が盛んです。冬の間天然物も良く取れ、脂ののった大物は絶品です。しかし養殖物も管理は行き届き、まず当り外れがないこと、天然物には春になると時として虫がおり、養殖魚にはそれがないことも評価されます。
 桜島大根はその大きさから人数が集まる時に使います。柔らかに煮えるのに、大鍋で長く煮ても煮崩れしないのが不思議です。ぶりのだしを吸って、口ざわり良く何ともいえないあじわいです。ぶり大根を何度か煮返して、天然物のぶりは全く煮崩れしないのに驚きました。

芋餅(ねったぼ)
 餅搗きの時、ふかしたさつま芋を餅につき入れて作るのが芋餅(ねったぼ)で、大概きなこをまぶして食べました。温かい内でも冷えてからでもおいしいですが、堅くなりかけたものを、切って火鉢で焼いても香ばしいものです。

味噌搗(みそつき)
 昔は多くの家で味噌、醤油まで作りました。手間の掛かる醤油作りは早い内に廃れましたが、今でも味噌作りは欠かしません。蒸した麦をもろふたに入れ、冷ましてから種麹を振ります。温度に気を配っていると翌日にはカビがしっかりついています。この麦麹を蒸して潰した大豆とを混ぜ込みます。昆布やゴボウを底に漬け込むと、絶品の漬物になります。こういうときの主役は妻であり、何かきりっとしていますからこちらも物言いには気をつけます。半年
ほど寝かせて、まさに当家「手前味噌」の出来上がりです。(佐々木)