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2011年11月19日 (土)

カンパチ用のいけすは全国初の施設

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 鹿児島県は県水産業の新しい展開を支えるため、垂水市に稚魚生産施設を建設中です。この施設は、カンパチ用の生簀(いけす)としては全国で初めての施設で、経済危機対策に基づく交付金事業で、平成二三年春の完成を目指しています。
 カンパチの種苗は現在、中国からの輸入に依存しており、地元産で賄えるようになれば、養殖の低コスト化や生産履歴の明確化にもつながり、消費者にも安心・安全な魚を供給できます。
 施設は、同市柊原にある県種苗生産施設内に建設。約四.一 haの敷地に、既存のヒラメ・タイなどの生産施設のほか、カンパチ六十万尾の供給を目標とした稚魚生産用生簀を整備し、一00t水槽八面(基)を設置。
 将来的には生産規模の拡大や、夏場主体の供給の周年化、民間への技術移転も視野に入れています。
 カンパチ種苗生産施設は、種苗生産棟(W造平屋建約八六三m2)、親魚棟(一階RC造二階木造建約三四五m2)、取水機械棟(RC造平屋建約一八0m2)の新築。また、既存のクルマエビ生産棟の解体後、ヒラメ棟(種苗生産施設、木造平屋建約四0五m2)も建設が予定されています。

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 これまでも環境への配慮と 塩害に強いという利点から、鹿児島県水産技術開発センターの各施設や長崎県壱岐栽培センター、佐賀県有明海漁業協同組合の海苔製造等の水産施設に集成材を使用していただいていますが、今回も各施設に多用して頂きました。
 木造は結露の心配も少なく、木材の特徴である熱伝導率の低さで室内温度が3 ~4度程度低く、室内環境が大変良いです。今回、鹿児島産の安全ヘルシーなカンパチ生産施設に携われた事に感謝し、これからも多方面の水産施設に木材が使用されることを願っております。
(榎 原)