今年1月より当社から車で10分程度の「立石養鰻」様向け燃料チップ供給を開始しました。燃料チップ事業のお客様第一号です。
昨年は重油の異常な高騰に産業界は大変苦しみました。幸い当社グループ「協同組合きもつき木材高次加工センター」は、一昨年重油ボイラーから木屑炊きボイラーに転換していましたので、打撃を受けずに済みました。
立石社長は当協同組合の結果も踏まえ、諸々の情報、情勢を検討、チップボイラーへの転換を決意されました。温熱帯系の生き物、鰻の養殖であることから発熱量の安定する乾燥チップを使用、重油ボイラーも並行運転するなど慎重にスタートされました。
立石養鰻様では、これまでの運転実績から自信を深め、今年度は更に増設を計画、エネルギーの全量を木質系に切り替える予定です。
2008 年、京都議定書が履行され、地球温暖化に対する関心は一挙に高まり、「排出量取引」の動きにも注目が集まっています。
「排出量取引」はCO2 に価格をつけ、市場メカニズムをフル活用して、技術開発や削減努力を誘導し、CO2 の排出削減を目指すもので、2008 年10 月より、国内でも試行的に始められ、試行排出量取引スキーム及びクレジットの創出、取引の2つの仕組みで構成されています。
国内クレジットは京都議定書目標達成計画に基づき、排出量削減を実行する国内の中小企業等と、そのクレジットを買い取る国内の大企業等との協働(共同)事業として実施されます。国内クレジットを利用した温室効果ガス排出削減は、このように大手企業の“ 出資” という形で実施されますが、市民や中小企業等が中心となって実施される自主的な取り組みも行われています。
クロスラミナパネルの開発
当社商品名ST パネル=製材(S)+ 多層(T)
住宅用薄型タイプで試作中。中低層用大型建築向けとして商品化を模索する。
近年ヨーロッパで幅はぎした製材を直交積層する面材料(クロスラミナパネル)が普及してきているという。国内でもこれを用いた3 階建、7 階建の実大試験が行われた。国内では戸建て住宅用のものが普及しつつあるが、これも試行的に進める。一方これまで、大型木造建築向けの材料として、大断面集成材で軸組は対応しながらも適当な面材料が無かった。当社の持つ大型プレス(220T×10基)で、大型寸法(2×6m 厚60〜100m/m)のパネルも製作可能である。大型木造建築向け面材料として、床板、壁板の商品化に取組む。
8月21日、日本構造家倶楽部が主催する、日本構造デザイン賞授賞式が五反田の東京デザインセンターで開催されました。
第4回を迎える今回は、作品賞として「芦北町地域資源活用総合交流促進施設」(設計:高橋晶子+高橋寛/ワークステーション)が選ばれ、構造家の佐藤淳さんが受賞されました。誠におめでたい出来事であり、かつ施工をした当社にとっても、非常に光栄な「ウッディストのたより創刊号」にふさわしいお知らせであったと思います。
残念ながら私は授賞式に参加できませんでしたが、授賞式では佐藤さんの講演が開催され、夕刻行われたレセプションに参加したところ、「山佐木材でなければできなかった!」と、3度もお話し頂いたとのことで、多くの方々から「おっ!山佐木材か!」と声をかけて頂き、感謝感謝の時間を過ごし、レセプション終了後も終電の時間と携帯電話を忘れるほど、蛤を囲んで佐藤さんと焼酎を酌み交わしたのでした。
さてレセプション会場には、播先生(愛媛県立武道館)、梅澤先生(室戸バーディハウス)、川口先生(姶良体育館)、昨年、日向駅舎で作品賞を受賞された阿蘓さん(姶良体育館)と、以前お世話になった先生方もいらっしゃり、皆様には「お手柔らかに」と心で思いながらも、今後ともよろしくお願いしますとご挨拶させて頂きました。(川口先生からは宿題も頂戴候)
また松井源吾特別賞には山辺豊彦さん(山辺構造設計事務所)が受賞、山辺さんとは、サミットハウスでお会いして以来、なんと18年ぶりの再会でした。今回は作品賞、そして特別賞と木造が2点も選ばれるという、木材・木造関係者にとっては画期的な授賞式となったのではないでしょうか。著名な設計家の方々に、こうして新たな木造の可能性を開いて頂いたことで、レセプション会場で耳にした「木造もおもしろい!」という新たな時代の幕開けとなるかもしれません。不況がささやかれる今の状況に少し勇気を頂いた思いです。(原田)
※ 受賞式の写真は(株)中田捷夫研究室の鈴木様よりいただきました。