南種子町の地材地建=町立中平小学校校舎
町有林の木材を大断面集成材に
昨年秋、地元の皆さんの手で町有林から切り出された木材は、6月初旬南種子町立中平小学校校舎の架構として、三井住商建材(株) のHR工法にて再び島の大地に立ちました。
平成22年11月22日朝、伐採後船積みされたスギ材が、志布志港に到着。以降、今年5月まで、山佐木材(株)下住工場で、板材(ラミナ)に製材、防腐防蟻処理のためホウ酸塩を注入、乾燥後、大断面集成材として、新校舎に使う柱や梁に加工されました。
この木造校舎の中で、子供達に、誇るべき地域の歴史や伝統と、それを伝えていく未来について、語り継いで行かれることと思います。地域教育の新しいシンボルとなることでしょう。
地域の木材を活用する
先人達が植樹、育林と大切に守り続けてきた歴史ある町有林の樹木。
利用されるところと同じ気候風土で成長した木材は、その地域で造られる建物に最も適した建材と言われています。
加えて、集成材に加工することで、あまり大きくない木や多少曲がりのある木でも板にひけるので、町有林などの大切な木材を有効に利用できます。
また、地域木材の利用が進むということは、伐採、搬出から建物の建設まで、多くの地元の人々がかかわることで、林業はもとより地域産業全体の活性化に繋がっていきます。
木の持つ香り、暖かみや、湿度を調整するなどの特徴によって、子供達にとって快適な室内環境を作り出すだけでなく情緒面での安定にも効果がでてくるそうです。
(参考文献『あたたかみとうるおいのある木の学校』文部科学省)
(発行 平成23年7月20日)