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2012年2月23日 (木)

東日本大震災に思う

肝付町産業創出課長 竹之下克明 様

 平成23 年3月11 日に発生した東日本大震災で、岩手県内だけで死者4,578 人行方不明者2,281 人(7月8日現在、県災害対策本部まとめ)という未曾有の被害を受けました。特に沿岸部では、津波により多くの市街地が壊滅状態になりました。
大隅半島4市5町では震災直後から、岩手県大船渡市に災害復旧支援のため職員を派遣しています。この派遣支援を円滑・効果的に行うため復興現地支援本部を立ち上げた、肝付町産業創出課長竹之下克明さんに寄稿いただきました。

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支援対策本部玄関

本当に人は一人では生きられないんだな
 大船渡市に、現地支援本部を設置するために4月6日から17 日間派遣されましたが、調査に入ると未だかつて見たことのない被害の甚大さに驚愕し、はじめは被災者に声を掛けることもできず自然と涙が出る思いでした。
 崎浜地区では73 歳の漁師が「海が好きで漁師を続けてぇが、この歳で借金したら死ぬまでに返せねえ。津波で俺の家もやられで、今日は重機が瓦礫を片付けてる。」と悲しげな表情で話されました。
 泊地区では、「地区の半分が家っこさ無くしたが、みんなで部屋を分け合ってここで暮らしてる。」と絆の強さを感じさせられました。
 蛸の浦地区では、三回の大津波を経験し家を破壊された83 歳の女性が「みんな昔は貧乏だった。昔に戻っただけのことだ。ゼロからまた始めだらいい。」と明日を向いて話されました。
 非被災者が被災者にできることをしたり、ボランティアを積極的にしたり、お互いを気遣い共に復活しようとする気持ちが強いことは、一朝一夕にはできないことで、いかに普段からのコミュニティがしっかりしていたかが窺い知れます。同じ状況になったら、私たちは海外メディアから賞賛された大船渡市の方々のように行動できるのか。今一度、見つめ直してみる必要があるかもしれない。

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崎浜地区の子供達と防潮堤

(発行 平成23年7月20日)